名古屋市立大学病院の救急科は2015年9月に新設されました。それまでは、病院の中央診療部門「救急部」として救急患者の受け入れを行っていましたが、救急部を一つの「科」として独立させ、救急の専門医集団を形成することで、当大学病院と地域における救急医療・医学の発展と後進を育成することを目標としています。
診療体制
現在、本院の救急科は救急科専門医、集中治療専門医(兼任)、熱傷専門医(兼任)、外科専門医、整形外科専門医、小児科専門医から成る8名体制です。日中は市大病院に入るすべての救急患者の初期診療を救急科が行い、診断と初期治療を行った後、適切な各科へ診療を引き継ぎます。夜間は現在COVID19状況下で救急科スタッフのバックアップ体制のもと、各診療科の救急当番医が初期対応を行っています。24時間365日、救急科が初期診療の対応をできるようにスタッフのさらなる充実を目指しています。
地域の連携
名市大病院救急科の大きな特徴は院内他科の連携とともに、地域病院との連携です。名市大病院ではすべての救急車を受入れることを基本としていますが、様々な病状、社会的背景を持つ患者さんに対し、大学病院のみで完結することにこだわらず、診療の結果で、より適切な地域の病院へ患者さんの診療を引き継ぐこともあります。診療する医師も地域の病院と定期的な行き来をしており、診療経験を積むとともに大学と地域病院の知識・技術の交流につなげています。このように病院の枠を超えた広い視野で救急を学び、地域に役立つ人材を育成することも当大学病院救急科の役割です。